プロパンガスの料金が上がりそうです
2013.09.10
エジプトの争乱がようやく下火になってきたと思っていたら、今度はシリア情勢の緊迫化です。この2つの問題が原因で原油がジリジリ上がってきています。
例年だったら今は原油の非需要期なので上がる時期ではないです。やはり地政学な要因が大きいですね。8月の前半は、エジプト情勢の緊迫化によるスエズ運河操業への影響や、他の中東地域へ波及する懸念などから少しずつ上がっていました。また、米国と中国の経済指標が堅調だったことも上がる要素になっていました。
しかし、8月21日にシリアで起きた化学兵器使用疑惑に対し、オバマ米大統領は軍事介入への承認を議会に求め、米国民の介入反対が世論調査で60%を超えているのに対し、議会は賛成派のほうが今のところ優勢のようです。9月9日の週から議論される議会で介入が承認されればシリア攻撃が現実のものとなり、原油はさらに高騰することが予想されます。
プロパンガス業界では、すでにプロパンガスのCP(輸入価格)の高騰と円安の影響で経営が圧迫されているという理由で、数社がプロパンガスの値上げに踏み切っています。実際、プロパンガスの利用者からの値上げに対する相談も入ってきています。さらに大手の多くは9月に告知して10月検針分から1立方メートル当たり40円前後値上げするのではないかと思われます。
シリアに米国が現実に軍事介入する前にすでに値上げの動きが出てきた訳ですが、今後の米国やフランスの動き次第ではイランやイスラエルも巻き込んで中東全体に波及することも考えられ、さらなる値上げもあり得そうです。当面シリア情勢からは目が離せません。