熊本地震に見る都市ガスとプロパンガスの復旧スピード比較
今回の震災で被害を受けた方々には心からお見舞い申し上げると共に、復興に尽力されている皆様には安全に留意されて、1日も早い再建をご祈念申し上げます。
4月14日(木)夜9時26分に熊本県で発生したマグニチュード6.5の前震のあと、16日(土)1時25分にはさらに大きなマグニチュード7.3の"本震"が襲いました。これだけ大きな地震は2011年3月11日の東日本大震災以来です。
熊本地震に襲われた地域の都市ガスエリアでは、安全確認のために契約世帯のガスメーターを閉栓した上で、道路に埋設された都市ガス導管を露出させて異常がないか検査しているようです。地中約1.4メートルにあるので掘り起こすだけでも大変な作業ですし、亀裂が入っていれば交換など修理が必要で、契約先のガス設備も1軒1軒検査したあとで開栓するという大変手間のかかる復旧作業を行っています。
4月25日付けの読売新聞や27日付けの産経新聞によると、熊本市をはじめ県内2市5町の約10万5千戸が本震のあと都市ガスの供給を停止(多分16日)され、約10日後の26日午後3時現在で5万7,725(57.2%)が復旧し、最終的には4月30日に全面復旧になりました。
一方、プロパンガス(LPガス)はどうだったのでしょうか?
一般社団法人 全国LPガス協会では4月19日付けで下記のようなメッセージを発信しています。
これを見る限り、15日から19日の間ではプロパンガス(LPガス)に関する事故は1件も発生しておらず、供給途絶もないとのことです。これは凄いことです。"プロパンガスは災害に強い"ことの証明ですね。
プロパンガスは通常予備のボンベが備わっているので、仮に途中の道路が寸断されたとしても予備のボンベにおよそ1ヶ月分のガスがあるため、理屈の上では1ヶ月以内に道路が復旧すればお風呂や煮炊きには困らないということになります。
今回の都市ガスの場合には、復旧への取り組みスタートから10日経っても57%の家庭しか復旧しませんでした。東日本大震災の場合、全面復旧には53日かかったと言われています。今回、4月30日に2週間程度での復旧は、東京ガスや大阪ガスなど全国の都市ガス会社22社から1日最大2,700人もの応援によるもので、異例中の異例ではないでしょうか?