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大家さんへ状況変化の
ご報告

2024年7月2日に施工されたプロパンガスの法律改正のため、
大家さん向けのサービスが完全停止していましたが、このところ多少動きが出てきました。
復活の程度としては、よちよち歩き程度ですが、少しはお役に立てるかもしれません。

ガス会社の切替によるメリットをご希望の方、エリアや相手ガス会社にもよりますが、
法令順守の範囲内で最大限お力になれればと思います。

以下のコンテンツは法令改正前に作成されたもので、現在有効ではありません。
ご注意ください。

アパート経営のガス会社変更・失敗例

アパート経営におけるプロパンガス会社変更の失敗例をご紹介します。契約内容を確認しておかないと、いざガス会社を変更したくても断念せざるを得ない結末に。失敗回避のためのポイントをしっかり押さえておきましょう。

大家さんの生の声

不測の事態でガス会社変更を断念

プロパンガスといえば「ガス代が高い」というイメージがありますが、アパート経営という面から見ると「設備の無償貸与が受けられる」というメリットがあります。その恩恵を受けているオーナーも多いのではないでしょうか。

しかし、いざガス会社を変更しようと契約書を見ると、驚愕の事実が発覚するケースが少なくありません。

今回はプロパンガス会社変更を直前で断念したあるアパートオーナーの失敗例を挙げながら、アパートの設備貸与契約におけるチェックポイントを解説していきます。

ガス会社変更計画の失敗例

ご紹介するのは、「給湯器の貸与価格が高額に設定されていた」ことがネックとなり、ガス会社変更に至らなかった失敗例です。

あるアパートオーナーは、新築2年目で入居者から「ガス料金が高すぎる」とクレームを受けたことがきっかけで、勝手な値上げをしたガス会社に不信感を抱いたといいます。

さらに、同業者からは「無償貸与が給湯器だけとはめずらしい...」と指摘され、今さらながら貸与条件に不満を感じガス会社の変更を決心しました。

<物件情報>

所在地 埼玉県戸田市
世帯数 ワンルーム12戸
築年数 2年
設備貸与 ガス配管工事費、追い焚き給湯器12台
入居者のガス代 基本料金2,200円、従量単価638円 (価格:税込)

<変更目的>

・追い焚き給湯器以外の設備サービス希望
・入居者ガス料金の適正化

契約書で貸与の実態が明らかに!一戸あたりの投資額が20万円を超過

本来、契約から2年経過していれば配管工事代13年分、給湯器代が8年分残っているはずです。プロガス料金消費者協会の試算では、ガス会社変更に伴う違約金は250万円程度と推測していましたが、実際は373万円もの違約金が発生しました。

<実際の違約金>

対象一戸あたり費用12戸合計費用2年目違約金
配管工事
(契約期間15年)
10万円10万円×12戸
120万円
8万円※1×13年=104万円
※1(120万円÷15年)
追い焚き給湯器
(契約期間10年)
28万円28万円×12戸
336万円
33.6万円※2×8年=268.8万円
※2(336万円÷10年)
合計372.8万円
1戸あたり31万円※3
※3(372.8万円÷12戸)

<協会が試算した違約金>

対象一戸あたり費用12戸合計費用2年目違約金
配管工事
(契約期間15年)
10万円10万円×12戸
120万円
8万円※4×13年=104万円
※4(120万円÷15年)
追い焚き給湯器
(契約期間10年)
15万円15万円×12戸
180万円
18万円※5×8年=144万円
※5(180万円÷10年)
合計248万円
1戸あたり20.7万円※6
※6(248万円÷12戸)

ガス会社は貸与した全額を回収する期間として、一般的に配管工事は15年、設備には10年の契約期間を設けます。したがって途中解約する場合には、アパートオーナーが残りの貸与額を違約金として一括で支払う必要があります。

ですが、ガス会社変更をするにあたっては、オーナーに代わり受け入れ先のガス会社(新しいガス会社)が違約金を立て替えます。これがプロパンガス業界の慣習です。


<関連記事>:設備サービス事例集

ガス供給物件を増やしたいガス会社は、ガス代で回収できるかどうか、つまり投資に見合う物件か、一戸あたりの投資額を割り出します。

そこには上限があり、一般的にワンルーム一戸あたりの投資額の相場は10万円程度。ガス会社変更の受け入れに積極的なガス事業者もありますが、それでも20万円程度が限界です。

それに対して、今回の失敗例では一戸あたり31万円と上限を大幅に超えていたため、受け入れ先のガス会社が見つからず、ガス会社変更は計画段階で失敗に終わってしまったというわけです。

いったい、どうしてこれほど高額な違約金になってしまったのでしょう?

給湯器で儲け過ぎ!

契約書によると、メーカー希望小売価格34万円の追い焚き給湯器が28万円で貸与(販売)されていました。

仕入れ数によって変わってきますが、一般的にガス会社はメーカー希望小売価格の30%前後で仕入れていると考えられます。これを元に計算すると、10万2,000円で仕入れた商品を28万円で販売しているので「17万8,000円の儲け」=「粗利額」となります。

これを式で表すと、

【失敗例】 粗利率 = 178,000円 ÷ 280,000円 × 100(%)= 63.57%

給湯器の貸与契約価格としては、驚くほど高く貸与されています。

協会が推奨する追い焚き給湯器の貸与契約価格は1台15万円です。

【当協会】 粗利率 = 48,000円 ÷ 150,000円 × 100(%)= 32.00%

この価格には給湯器本体からの利益、取り付け作業の利益が含まれていますが、粗利率が約64%とは誰が見ても儲けすぎです。

本来、ガス会社からするとガスを契約してくれるだけで利益につながるので、「給湯器本体で儲けがなくてもいい」と格安で提供する良心的な事業者も多くあります。しかし、今回の失敗例はまるで逆の発想で貸与金額を決めています。

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アパートのガス会社変更において、このような失敗を未然に防ぐには、どういう点を注意すべきでしょうか。

ではご説明しましょう。

契約書のチェックポイント

通常なら新築して数年でガス会社を変更することは考えにくいですが、設備貸与の対象にはすべて価格が設定されています。無償といえどもアパート経営においては負債と捉え、最小限に抑えておくべきです。妥当な価格になっているか確認することをおすすめします。

一戸あたりの投資額を算出すべき!

ガス会社を変更する際、一戸あたりの投資額が20万円を超えてしまうと、引き受け先のガス会社は"ほぼない"と理解しておきましょう。

下記の投資額算出フォーマットを使えば、どなたでも簡単に割り出せます。さっそく、空欄部分に数字を入力して確認してみてください。

※給湯器が給湯専用給湯器の場合は一戸あたりの費用5万円で計算できます。


<投資額算出フォーマット>

対象一戸あたり費用合計費用違約金
配管工事
(契約期間15年)
10万円10万円×戸数
〇〇〇万円
C万円※1×残年数=×××円
※1(〇〇〇万円÷15年)
追い焚き給湯器
(契約期間10年)
15万円15万円×戸数
△△△万円
D万円※2×残年年=×××万円
※2(△△△万円÷10年)
合計×××万円
1戸あたり●●万円※3
※3(×××万円÷戸数)

入居者のガス代にも配慮すべき!

協会が算出したアパート入居者の平均適正価格(埼玉県)は、基本料金:1,980円、従量単価:627円、これに対して今回ご紹介した失敗例では、入居者ガス代が基本料金:2,200円、従量単価:748円。つまり基本料金、従量単価とも高いと判断できます。

入居者のガス代は一戸あたりの投資額を元に計算されるので、当然、設備貸与が高額になるにつれてガス代も高くなってしまいます。入居者からクレームになるほど高額になれば、退去につながりかねません。

契約書の事前確認はオーナーの責務と心得ておきましょう。


<関連記事>:ガス代30~40%削減で退去予防

契約のウラに隠されたガス会社の本音

ガス会社は、設備貸与費用を入居者のガス代で回収しつつも、他のガス会社への乗り換えがしにくいように高めの設定にしていることがあります。

今回の失敗例でも一戸あたりの投資額が31万円と高額でしたが、これもガス会社変更の防止策と言っていいかもしれません。実は、これがガス会社の本音だったりもします。

ガス会社変更サービスを利用して失敗を防ぐ

オーナーが契約内容の開示を要求しなければ、ガス会社自ら提示することはないと覚えておきましょう。施工が終わればプロパンガス会社を変えることができなくなるので、貸与契約書は施工が始まる前に必ずチェックすることをおすすめします。

万一、納得がいかない契約内容であればガス会社に交渉すべきです。ただし、闇雲に値下げ要求するだけでは勝ち目はないでしょう。専門知識がないオーナーにとっては苦戦する交渉になるかもしれません。

そこで、プロパンガス料金消費者協会のガス会社変更サービスを利用してみませんか。

オーナーに代わって物件状況・契約書調査をした後にガス会社を選定。無償貸与の提案、入居者のガス料金適正化など、あらゆる面でサポートしています。面倒な交渉もしなくて済むので安心です。興味のある方は是非、お問い合わせください。

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アパート経営のガス会社変更・失敗例まとめ

なぜ不測の事態でガス会社変更を断念したのか?

プロパンガス会社変更を直前で断念した失敗例を挙げながら、アパートの設備貸与契約におけるチェックポイントを解説します。詳しくはこちら

給湯器で儲け過ぎなのではないか?

給湯器で儲けなくてもいいと格安で提供するガス事業者も多くある中、今回の失敗例では、給湯器の粗利率が64%は儲け過ぎです。詳しくはこちら

契約のウラに隠されたガス会社の本音とは?

ガス会社は、設備貸与費用を入居者のガス代で回収しつつも、ガス会社変更の防止策として高額設定にしていることがあります。これがガス会社の本音です。詳しくはこちら

ガス会社変更サービスを利用して失敗を防ぐには?

プロパンガス料金消費者協会のガス会社変更サービスを利用すれば、適正価格で設備貸与条件を提案してもらえます。新築、都市ガスからの変更にも対応しています。詳しくはこちら

大家さんの生の声
設備サービス事例集
(H)
〈監修者〉 監修者
一般社団法人
プロパンガス料金消費者協会
代表理事 鈴木 秀男
・1950年 
群馬県伊勢崎市生まれ。
・1980年 
ソード株式会社(後の東芝パソコンシステム株式会社)に入社。
・2010年 
一般社団法人 プロパンガス料金消費者協会を設立して理事に就任。
・2011年 
同代表理事に就任。現在に至る。
・2023年 
BSテレビ東京「マネーのまなび」で、不透明なプロパンガスの料金について取材を受け、番組内で解説。

 設立当時、プロパンガスは都市ガスに比べて約1.8倍も高い状況にも関わらず、消費者が相談できる団体は皆無であった。そこで、鈴木は消費者の立場に立って、不透明なガス代について料金面から取り組む団体として協会を設立した。

 それまで存在しなかったプロパンガス料金の“適正価格”の設定に奔走。大手供給業者の賛同を得て、設立10年足らずで”適正価格“を共通言語として全国展開を達成し、130社以上のプロパンガス会社とパートナー契約している。

 現在はプロパンガスの”適正価格“の指標になる「CP速報」を毎月執筆し、ガス料金の適正価格での供給に貢献している。

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