購入した中古住宅の残存は誰の責任?
昨日、神奈川県相模原市にお住まいの主婦(仮にAさんとします)の方から受けた相談です。
Aさんご家族は、昨年12月に相模原市に築10年の中古住宅を購入しました。この住宅には最初に家を建てた方が契約していたガス会社Bのボンベと メーターが付いていて、ガス会社に言われるままB社と契約してしまいました。
さらに、前の居住者は配管工事をB社に無償でやってもらっていたため、契約期間が5年ほど残っていて、その残存に対する違約金として、Aさんが引き継ぐことに同意する旨の契約書に押印をしてしまったというのです。
これがおかしなことだと気付いたのは、今年の1月中旬に訪問セールスに来て、別のガス会社C社の営業マンに料金の高さを指摘され、B社に契約変更を申し出た際B社から契約書を盾に、「解約するのなら約9万円払ってください」と言われたからでした。
C社の営業マンは「B社の要求している違約金は弊社が肩代わりするから、その替わり弊社と15年の契約を結んで欲しい」と言ったそうです。
Aさんは訳がわからなくなってしまい、当協会に相談してきました。
結論を言いますと、本来この違約金はAさんが支払う必要はないものです。
新築時に契約を結んだのは、家を建てた前の居住者ですので、この方が家を売却して出て行く際にB社に対して違約金を精算するべきだったのです。
しかし、何らかの事情で前の居住者に請求できなかったB社は、代わりにAさんを言葉巧みに言いくるめて引き継ぎの契約書にハンコを押させてしまったのです。
Aさんからの相談を整理すると、
- B社との間で結んだ契約書は有効か?
(B社への支払い義務はあるのか?) - C社との15年契約は結ばなければならないのか?
ポイントは上記2点です。
まず1つ目ですが、本来Aさんが支払う必要はないのですが、契約書にハンコを押した以上責任は発生してしまいます。
ただ、C社が肩代わりしてくれると言っているので、Aさんが現金で支払う必要はありません。その代わりAさんはC社との間で15年の契約を結ぶことを要求されている訳です。
2つ目について当協会は、C社との間で15年の契約年数は長過ぎるので5年で結ぶようアドバイスしました。
15年の内10年は前の居住者が償却しているので、残りは5年です。それなのに再度15年というのは根拠がありません。
また、C社の提示価格は基本料金が1,500円、従量単価が300円でした。
C社としては、このような低価格の料金で更に9万円もの違約金を肩代わりさせるのは酷なので、300円プラス20~30円程度の単価は受け入れるべきだともお伝えしました。
中古住宅を購入してプロパンガスを利用する場合は注意が必要ですね。