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2014年2月のCP

2月CPが970ドルへ。春へ向かって下げ基調

1月30日に2月のCPが発表されました。12月の1,100ドルから1月は90ドル下がって1,010ドルになり、2月はさらに40ドル下がって970ドルになりました。今後も夏までは少しずつではあっても下がっていく可能性が高いです。

1月=1,010ドル/トン
2月CP=970ドル/トン(4.0%↓)

サウジアラムコCP推移
サウジアラムコCP推移

なぜ値下がりしているのか?

リビアの大規模油田が抗議活動の影響で操業停止に追い込まれていましたが、デモ隊との間で抗議活動を休止することで合意に達し2ヶ月ぶりに生産活動が再開されました。操業が開始されたことで原油の逼迫感が弱まったことと、プロパンガスの非需要期をこれから迎えることが主な要因だと思われます。

今後プロパンガスの価格はどう動くのか?

昨年12月にプロパンガスの原価が市場最高の高値を記録したのを受け、プロパンガス各社は12月から1月にかけてほぼすべての会社が値上げをしました。値上げの幅は40円から70円くらいです。これはプロパンガスの仕入れ値が上がったのと、円安が大幅に進んだのとのダブルショックが原因です。

その後1月、2月と仕入れ値(サウジアラムコのCP)は徐々に下がってはいますが、これくらいでは一般家庭でのガス料金が下がることはないようです。実質的には下がったというよりも上げ止まったというのがガス会社の本音でしょうか。CPは上のグラフを見てもおわかりのように、4~5年前に比較して徐々に高止まりするようになってきました。

5年前の2009年は最安値が380ドル。最高値が720ドルでしたが、昨年は最安値が735ドル。最高値は1,100ドルとだいぶ底上げされてきました。OPECや産ガス国の価格戦略の成果なのでしょうが、消費国としては厳しいものがあります。加えて現在の日本は原発がほとんど稼働していない状況で、産ガス国からは完全に足下を見透かされてしまっています。

アメリカ産のシェールガスの到着を待ちたいところですが、パナマ運河の拡張工事をめぐって予算が大幅にオーバーし、工事業者連合と運河庁が対立した結果2月に入って工事が中断したようです。当初完成予定は2015年6月の予定だったようですが、遅れる可能性が出てきました。

アメリカ産のシェールガスを安く輸入するためには、太平洋とカリブ海を結んでいるパナマ運河を通るのが良いのですが、現状では狭すぎてプロパンガスを積んだ大型タンカーが通れません。そこで2009年から拡張工事が行われ、工事は既に7割方終了しているようですが、こうなるとプロパンガスの価格も、しばらくの間はサウジアラムコの言い値になってしまいそうですね。

この記事の執筆者

一般社団法人プロパンガス料金消費者協会

代表理事 鈴木 秀男

  • 2010年10月 一般社団法人プロパンガス料金消費者協会を設立。代表理事に就任。

1980年広告代理店勤務を経て、東芝パソコンシステム(旧:ソード電算機システム)に入社。営業推進部部長として勤務する傍ら、1990年より世界最大の人材教育機関「デール・カーネギー・コース」のニューヨーク本部公認トレーナーとしてセールスパーソンの教育に20年間従事。官公庁や大手企業を中心に約3千人を指導。また、ヤフージャパンで4年間広報宣伝ディレクターを兼務した。



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