2014年8月のCP
8月CPは780ドル。非需要期で下降気味
7月30日に8月のCPが発表されました。先月比40ドル下がって780ドルになりました。サウジアラムコCPは昨年12月に史上2番目の高値である1,100ドルをつけ、その後4月まで連続で下げたが5月6月は上昇、7月8月はまた下げています。
市場の動向
7月〜9月は、プロパンガス非需要期のピークを迎えます。それだけにもっとCPが下がってもおかしくなかったのですが、ウクライナやイラク問題が起こったために一直線に下がらずに、夏場としてはやや高止まりしています。今後どうなるかですが、いままでの傾向では9月からは冬場の需要期に備えた在庫準備に向かっていくので、CPは上がっていくトレンドにあります。
今年は、"値上げはあっても値下げなし?"
上部のグラフをご覧いただいてわかる通り、昨年12月には1,100ドルという高値を付けました。業界はすぐに反応し、ほぼ全社が1立方メートル当たり40円前後の値上げを行いました。
その後4月には770円までちょうど30%下落しています。8月のCPも780円ですので同じ水準にあります。昨年12月に1,100ドルを付ける前のCPは870ドルでした。870ドルから1,100ドルになってすぐ値上げしたのに、1,100ドルから780ドルに下がったら当然値下げの話が出てもいいはずです。しかし、どこからも値下げの話は聞こえてきません。それどころか、ある大手は8月から30円ほど値上げをしたようです。
何ともよくわからない業界です。9月のCPはまだ知るよしもありませんが、仮に10ドルでも20ドルでも下がったら値下げをして欲しいものです。しかし、多分期待薄でしょうね。経営面から見て、もうすぐ秋になってCPの値上がりが予測される中、なかなか販売価格の値下げには踏み切れないのは理解できなくもないですが、1月に40円上げたのであれば少なくとも20∼30円は下げておくべきではないかと思います。
そしてこのまま秋になってまた1,000ドルを超えるとすぐに値上げが行われることでしょう。こうしてプロパンガスの利用者価格は、CPの高騰時に値上げされ、その後様子を見ているうちにまた冬の需要期を迎えてしまうという悪循環を繰り返しているのです。
この記事の執筆者
一般社団法人プロパンガス料金消費者協会
代表理事 鈴木 秀男
- 2010年10月 一般社団法人プロパンガス料金消費者協会を設立。代表理事に就任。
1980年広告代理店勤務を経て、東芝パソコンシステム(旧:ソード電算機システム)に入社。営業推進部部長として勤務する傍ら、1990年より世界最大の人材教育機関「デール・カーネギー・コース」のニューヨーク本部公認トレーナーとしてセールスパーソンの教育に20年間従事。官公庁や大手企業を中心に約3千人を指導。また、ヤフージャパンで4年間広報宣伝ディレクターを兼務した。
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