2015年1月のCP
1月CPは425ドル。記録的な低水準
12月31日に1月のプロパンガスのCPが発表されました。12月の550ドルからさらに125ドル(22.7%)下がって425ドルになりました。この水準まで下がったのは2009年6月に395ドルまで下がった記録がありますので5年半ぶりです。
供給過剰感が原因
1月5日のニューヨークWTI原油先物取引は、一時1バレル=50ドルを切りました。プロパンガスのCPが下がったのも、原油先物が値を下げているのも根は1つです。
いくつかある原因の1つは、アメリカのシェールオイルの増産が続いた結果、いまやサウジアラビアやロシアを凌駕するほどの産油国になってきたことです。これに対し市場でのシェアを落としたくないサウジアラビアは、OPEC総会での減産に反対したことで原油安に歯止めがかかりません。また、ルーブル安に苦しむロシアやイラクでも生産が増えているなど各国の増産が続いているのに、逆に世界の経済指標が冴えないことから供給過剰感が高まっています。
さらに長年世界の経済を引っ張ってきた中国経済が減速する中、ヨーロッパの経済もパッとしません。EU全体の経済低迷が続いている最中にギリシャのEU離脱問題も発生し、原油価格の下落圧力にもなっています。
2015年のプロパンガス相場はどうなるか?
今年のプロパンガスの相場は、比較的安値安定した動きになるようです。もちろんこれは、中東で戦争が勃発するなど状況が変わればすぐに一変してしまうので、一寸先は闇というのが現実ではあります。単に需要と供給だけの問題を捉えると、供給過剰の状態が続くのは当面続きそうなのですが大手プロパンガス元売り会社のレポートでも、2015年は450ー530ドルくらいで推移するのではないかと見ているようです。1月のCPが425ドルなので春から秋冬にかけて少しずつは上昇するかも知れませんが、一昨年末のような1,000ドルを超えるような状況になることは想像できない状況です。
なかなか下がらない小売り価格
このように歴史的なCPの下落が起きている中で、小売り価格が下がった話はあまり出てきません。当協会の会員プロパンガス会社はほとんどが下げていますが、なぜ一般的には下がらないのか不思議です。CPが急騰した時には敏感に小売り価格を上げるのに、値下げには鈍感なのがこの業界の問題かも知れません。現在当協会が推奨する「適正価格」は下がり続けています。詳しくは下記で確認しておいてください。
この記事の執筆者
一般社団法人プロパンガス料金消費者協会
代表理事 鈴木 秀男
- 2010年10月 一般社団法人プロパンガス料金消費者協会を設立。代表理事に就任。
1980年広告代理店勤務を経て、東芝パソコンシステム(旧:ソード電算機システム)に入社。営業推進部部長として勤務する傍ら、1990年より世界最大の人材教育機関「デール・カーネギー・コース」のニューヨーク本部公認トレーナーとしてセールスパーソンの教育に20年間従事。官公庁や大手企業を中心に約3千人を指導。また、ヤフージャパンで4年間広報宣伝ディレクターを兼務した。
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