2015年2月のCP
2月CPは450ドル。1月比25ドル上昇
1月29日に2月のサウジアラムコCPが発表されました。前月1月の425ドルに対して25ドル高の450ドルです。過去1年あまりの間、ずっと右肩下がりであったCPですが、予想外の上昇になりました。
供給過剰感は変わらず
下落し続けていたプロパンガスのCPがやや上昇したとはいえ、マーケットの大きな基調としては供給が需要を上回っている点で変わらないようです。石油の世界需要は1日あたり9,250万バレル程度で推移していますが、OPEC(石油輸出機構)のバドリ事務局長の発言では、1日あたり150万バレルほどが過剰に供給され、合計で9,400万バレルほどになっているとのことです。(1バレル=約159リットル)
世界の原油市場は、中国・ヨーロッパなどの経済減速により需要が低迷している中、米国産のシェールオイルがかつてないほどの勢いで増産されています。さらにOPECはこのシェールオイルに対抗する目的なのか、同じOPECのメンバーであるベネズエラなどの減産要求を拒否して、原油下落を静観する方向を維持しています。
このOPECの狙いがどういうものかというと、"シェールオイル潰し"という見方が有力です。一時、シェールオイルの採算ラインは1バレル60ドル程度で、それ以上下がったら採算割れになり採掘業者は撤退するのではないかと言われてきました。そうなればシェールオイルのなかった時のようにOPECが主導権を握って高価格政策を取り、十分な利益を確保できるという訳です。
では、実際の採算ラインはどれほどなのでしょうか?
シェールオイルの採算分岐点は?
シェールオイルの採算分岐点は60ドル程度と従来言われてきました。しかしこの記事を書いている2月4日現在のWTI(世界の三大原油指標の一つ)原油先物価格は52ドル台で推移しています。以前から60ドルを割っているので、採算分岐点が60ドル程度ならば既に撤退している業者がたくさんいるはずです。どうも採算分岐点のほかに「操業停止点価格」というものがあり、二段階になっていて採算が取れないから即撤退にはならないということのようです。
また、数あるシェールオイル採掘業者の中には企業努力によって採算分岐点を下げることに成功している企業もあるでしょう。あるいはWBH Energy社のように破産申請を出した会社もあります。そして、シェールオイル採掘への投資が鈍り産油量が減れば原油価格は高騰し、採掘業者も再度活気づくというサイクルになりそうです。
この記事の執筆者
一般社団法人プロパンガス料金消費者協会
代表理事 鈴木 秀男
- 2010年10月 一般社団法人プロパンガス料金消費者協会を設立。代表理事に就任。
1980年広告代理店勤務を経て、東芝パソコンシステム(旧:ソード電算機システム)に入社。営業推進部部長として勤務する傍ら、1990年より世界最大の人材教育機関「デール・カーネギー・コース」のニューヨーク本部公認トレーナーとしてセールスパーソンの教育に20年間従事。官公庁や大手企業を中心に約3千人を指導。また、ヤフージャパンで4年間広報宣伝ディレクターを兼務した。
ガス代最大50%安く!