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2015年3月のCP

3月CPは500ドル。2月比50ドル上昇

2月28日に3月のサウジアラムコCPが発表されました。前月2月の450ドルに対して50ドル高の500ドルです。それでもまだ水準的に低いことに変わりなく、大きな流れとしては原油安が続いているとみて良いと思われます。

2月=450ドル/トン
3月=500ドル/トン(11.1%↑)

サウジアラムコCP推移
サウジアラムコCP推移

今後のCPはどうなるのか

プロパンガスのCPは2013年の12月に1,100ドルという高値を付け、以来2015年の1月までほぼ下げ続けてきました。そして2月に25ドル上がって、3月にさらに50ドル上がったわけです。このあとどうなるのかは誰にもわかりませんが、少なくとも年内は大きな変動はないだろう。というのが大方の見方のようです。

現在の原油安を招いたのはサウジアラビア

3月のCPが500ドルになったといっても、2013年12月の1,100ドルからみればまだ半分以下です。このような原油安の原因は、昨年11月のOPEC総会で原油減産が見送られたことがきっかけになりました。このことが供給過剰のベースになっています。

また、原油の消費量が伸びない要因も色々顕在化しています。まず、中国をはじめとする新興国の成長鈍化が大きなポイントです。さらに、自動車業界ではエコ化が急激に進んでいます。軽自動車やハイブリッド車の増加でガソリンの消費量が落ちています。航空業界では、ボーイング社と独占契約を結んだ、東レの炭素繊維素材の実用化などで旅客機の燃費改善も進んでいます。今のところ、原油不足の要因よりは供給過剰になる要因のほうが優勢なのが実情です。

サウジアラビアはなぜ減産に応じないか

前述のように需要が伸びていないのになぜサウジアラビアが減産しないかというと、大きく2点あるようです。1つは、シェールオイル潰し。実際原油価格が暴落したことにより、シェールオイル採掘業社が苦境に立たされています。もう1つはイスラム国潰しです。マスコミ報道でご存知かと思いますが、イスラム国の豊富な資金の多くは原油の裏取引と言われています。この原油価格が下がればイスラム国の活動を抑え込むことにつながり、ひいてはサウジアラビアの体制維持にもつながると考えられます。

今後のプロパンガスの家庭用価格はどうなる?

今後、シェールオイル生産業者が大量に倒産したり、イスラム国が壊滅したりすればサウジも減産をして価格を上げるかもしれませんが、年内はCP500ドル近辺で推移するのではないかと見られています。

家庭用のプロパンガス価格は、今年になってかなり下がりました。経験値としては今が一番安い時期だと思います。もし皆さんの家のプロパンガス価格が下がっていない場合は、契約先のプロパンガス会社を見直すのも良いかもしれません。現在の適正価格は下記からご確認ください。

この記事の執筆者

一般社団法人プロパンガス料金消費者協会

代表理事 鈴木 秀男

  • 2010年10月 一般社団法人プロパンガス料金消費者協会を設立。代表理事に就任。

1980年広告代理店勤務を経て、東芝パソコンシステム(旧:ソード電算機システム)に入社。営業推進部部長として勤務する傍ら、1990年より世界最大の人材教育機関「デール・カーネギー・コース」のニューヨーク本部公認トレーナーとしてセールスパーソンの教育に20年間従事。官公庁や大手企業を中心に約3千人を指導。また、ヤフージャパンで4年間広報宣伝ディレクターを兼務した。



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