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2015年8月のCP

8月CPは365ドルで7月比30ドル下落

7月29日に8月のサウジアラムコCPが発表されました。前月7月の395ドルに対して30ドル下落の365ドルです。この水準は実に6年8ヶ月ぶりの低水準です。リーマンショックの起きた2008年12月に340ドルを記録しましたが、それに次ぐものです。

7月=395ドル/トン
8月=365ドル/トン(7.6%↓)

サウジアラムコCP推移
サウジアラムコCP推移

原因は中国経済の減速

サウジアラムコCPの下落に一層の拍車がかかっています。8月は実に6年8ヶ月ぶりとなる365ドルです。原因は色々あるものの、一番大きいのは中国経済の減速感です。8月に中国政府は何回か元を切り下げました。何のために切り下げたかというと、元安による輸出競争力のアップです。中国の7月の輸出額は対前年比8.3%と大幅な減少になりましたが、これに焦りを感じた中国政府が、国内の製造業を助けるためにやったことです。

本当の経済成長率はどうなのか?

中国政府は、2015年の経済成長率目標を7%としています。なぜ7%かというと、これ以下だと雇用不安が生じるといわれているからのようです。雇用不安が現実のものになれば、一般庶民の不満が高じて暴動が起き、共産党政権の崩壊にもつながりません。中国政府が一番恐れているのはこのことのようですね。だから7%維持のためには何でもやるのです。

では、実際に7%の維持は可能なのでしょうか。2014年は何とか7.4%の実績を残しましたが、政府の目標は7.5%でした。目標未達は1998年以来16年ぶりとのことです。今年の目標である7.0%ですが、発表された数字を見ると相当厳しそうに思えてきます。この数字です。

中国の2015年の経済成長率は2.8%?

JBpressによれば、中国政府が発表したエネルギー消費量の2015年上半期分は、対昨年比0.7%しか伸びていません。一方、中国国家統計局が発表した2015年上半期のGDP(国内総生産)は、対昨年同期比で7.0%になっています。

エネルギー消費量とGDPは完全に一致するものではないかも知れませんが、経済の素人である私が見ても、これはおかしいと思わざるを得ません。エネルギーの効率というのは時間とともに改善されるものでしょうが、この乖離には誰もが不審感を持つでしょう。

実際、イギリスの調査会社であるファゾム・コンサルティング社は、中国政府の発表数字をそのまま使うことはやめて、自社で独自に試算した数字を中国の経済成長率として使うことにしたとのことです。それによれば、2015年の中国の経済成長率は2.8%で、来年の2016年はたったの1.0%というショッキングな数字です。

これが現実のものとなったら、プロパンガスのCPだけでなく、世界経済に及ぼす影響はちょっと想像できません。現在の原油安はまだまだ続きそうですが、プロパンガスの販売価格を下げようという動きはほとんど聞かれません。摩訶不思議な業界です。

この記事の執筆者

一般社団法人プロパンガス料金消費者協会

代表理事 鈴木 秀男

  • 2010年10月 一般社団法人プロパンガス料金消費者協会を設立。代表理事に就任。

1980年広告代理店勤務を経て、東芝パソコンシステム(旧:ソード電算機システム)に入社。営業推進部部長として勤務する傍ら、1990年より世界最大の人材教育機関「デール・カーネギー・コース」のニューヨーク本部公認トレーナーとしてセールスパーソンの教育に20年間従事。官公庁や大手企業を中心に約3千人を指導。また、ヤフージャパンで4年間広報宣伝ディレクターを兼務した。



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