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2016年4月のCP

2016年4月CPは320ドルで3月比30ドル上昇

3月31日に2016年4月のサウジアラムコCPが発表されました。前月3月の290ドルに対して320ドルと前月比30ドル(10.3%)上昇しました。それでも、過去10年ほど遡ってもここまで下がったことがないほどの低水準が続いています。

3月=290ドル/トン
4月=320ドル/トン(10.3%↑)

サウジアラムコCP推移
サウジアラムコCP推移

ドーハでの会合は決裂に終わる

4月17日にカタールの首都ドーハで会合が開かれました。参加したのはサウジアラビア、ロシア、カタール、ベネズエラなど主な産油国18カ国です。会議の目的は、増産を凍結して原油の価格を上昇させることです。しかしながら結果として合意することはできずに終わってしまったようです。

JBpressによれば、決裂の原因はOPECの盟主サウジアラビアにあるようです。会議前の目論見としては、「1月の原油生産量を10月まで継続する」方向だったのに、今回の会議に欠席したイランにも増産凍結案を飲ませるという無茶な要求を、サウジが最後まで取り下げなかったためです。イランは、経済制裁が解除されたら現在日量300万バレルほどの生産量を、制裁前の水準である400万バレルまで引き上げることを明言していました。

そんなイランですので、増産凍結のための会議には参加するはずがないし、参加していないイランに増産凍結を要求すること自体が無茶な訳です。こうして何も決まらずにドーハでの会議は12時間も無駄な時間を費やしてしまいました。

石油労働者のストライキ

クウェートでは石油労働者のストライキが勃発

ドーハでの会議が決裂に終わったあと、予想通り「失望売り」が拡がったのは言うまでもありません。このところ、会議で増産凍結が合意されれば供給過剰が解消するとの期待感から、徐々に値上がりしていた原油先物市場は一転して急落したのです。

そんな折り、OPECの中で原油生産量第4位を誇るクェートの石油労働者がストライキを起こしたことが発覚しました。このストライキによって、3月の石油生産量が日量で約170万バレルも減ってしまったのです。今、世界の原油生産は過剰になっていて、そのために原油価格が下がっています。その過剰分は約日量200万バレルと言われていますので、皮肉なことにクェートのストライキによって需給のバランスが一時的にせよほぼ取れてしまったのです。結果として原油先物市場は、一端急落したものの反騰しています。

ストライキの背景には、原油安によって財政事情が悪化したクェート政府が公共部門労働者の給料と、全国民の福利厚生費を大幅に削減したことが原因になったとのことです。そして、これはサウジアラビアでも起こる可能性があります。対策としてサウジは、国営石油会社のサウジアラムコの株式を国内で上場することを4月25日に発表しました。これで約220兆円の資金が調達できるそうなので財政も改善される見込みです。

この記事の執筆者

一般社団法人プロパンガス料金消費者協会

代表理事 鈴木 秀男

  • 2010年10月 一般社団法人プロパンガス料金消費者協会を設立。代表理事に就任。

1980年広告代理店勤務を経て、東芝パソコンシステム(旧:ソード電算機システム)に入社。営業推進部部長として勤務する傍ら、1990年より世界最大の人材教育機関「デール・カーネギー・コース」のニューヨーク本部公認トレーナーとしてセールスパーソンの教育に20年間従事。官公庁や大手企業を中心に約3千人を指導。また、ヤフージャパンで4年間広報宣伝ディレクターを兼務した。



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