2016年6月のCP
2016年6月CPは330ドルで5月比5ドル上昇
5月30日に2016年6月のサウジアラムコCPが発表されました。前月5月の325ドルに対して330ドルと前月比5ドル(1.5%)上昇しました。現在、CP価格は非常に安い水準のままで2年ほど推移しており、急激に上がるような要因は今のところ見当たらない状況です。
6月2日のOPEC総会は増産凍結合意に至らず
2日にオーストリアのウィーンでOPEC(石油輸出国機構)の総会が開かれました。今回の総会の注目ポイントは、増産凍結を合意できるかどうか、または生産目標の設定ができるかどうかだったが、何もできずに終わってしまったようです。
最近のOPECは、各国がバラバラの主張を繰り返し全体としての合意ができなくなっています。原油安のために財政が破綻しそうな状態のベネズエラなどは、積極的に生産目標を設定するよう提案をしたようですが、イランの反対が障害になったようです。イランは核開発疑惑から経済制裁を受け、経済制裁解除前の昨年は日量で290万バレル程度の生産量でした。そして1月に制裁解除されると増産に着手し、4月には日量350万バレルにまで達した模様です。
イランの当面の目標は、経済制裁前の日量400万バレルの回復です。3月13日には報道機関に対し、「日量400万バレルに達すれば増産凍結会議に参加するだろう」と語ったそうです。それまでは増産を継続するという意思表明しているので、供給過剰状態を調整することは難しい状態が続きそうです。
米国のシェールオイル減産が原油相場に影響
ロイターによると、3月の米シェールオイルの生産見通しが約1年半ぶりに日量で500万バレルを割り込む見通しだそうです。理由はもちろん原油価格の下落です。原油価格が1バレル当たり50ドルを切ってからシェールオイル業界は採算割れの危機に直面し、採掘業者の撤退・倒産が相次いでいます。
米国のベーカー・ヒューズ社のレポートによると、北米の稼働リグ(シェールオイルを掘削するためのドリリング・リグ)が2015年の10月末に467本まで急減したそうです。2014年のピーク時には1,600本を超えていましたが、撤退が相次ぎ3分の1以下にまで減少しています。リグ数が減れば当然産油量も減るわけで、これが原油価格が持ち直している原因になっているようです。
OPECの主力メンバーが増産を続ける中、増産凍結を合意できなくても原油価格が大きく崩れないでいるのは、米国のシェールオイルの減産によって需給のバランスが何とか成り立っているからと言えそうです。
この記事の執筆者
一般社団法人プロパンガス料金消費者協会
代表理事 鈴木 秀男
- 2010年10月 一般社団法人プロパンガス料金消費者協会を設立。代表理事に就任。
1980年広告代理店勤務を経て、東芝パソコンシステム(旧:ソード電算機システム)に入社。営業推進部部長として勤務する傍ら、1990年より世界最大の人材教育機関「デール・カーネギー・コース」のニューヨーク本部公認トレーナーとしてセールスパーソンの教育に20年間従事。官公庁や大手企業を中心に約3千人を指導。また、ヤフージャパンで4年間広報宣伝ディレクターを兼務した。
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