2017年9月のCP
2017年9月CPは480ドルで8月比60ドル上昇
8月31日に9月のサウジアラムコCPが発表されました。8月の420ドルに対して480ドルで、60ドル(14.2%)上昇しました。先月は75ドルの上昇だったので、2カ月で135ドル上がったことになります。
CPが2カ月で135ドル上昇
2016年には年間平均で、324.6ドルという安値が続いていたCPがジワジワと値を上げてきました。 2017年の1月から9月までの平均が430ドルですので、2016年と比較すると32.5%ほど上昇しています。この要因は、サウジアラビアの高価格政策が成果を上げてきたと見ることができると思います。
サウジアラムコが主導で減産作戦
今年になってCPが上がってきた背景には、OPEC加盟国と非加盟国の両方が減産で足並みを揃えていることにあるようです。
この両者は、サウジアラビアのファリハ・エネルギー産業鉱物資源相が主導で、2017年1月から2018年3月末までの期間、日量で180万バレル削減することで合意して、これは概ね守られているようです。
また、2017年8月にはサウジとイラクが、原油減産と原油価格の高値安定化を目的とする取り組みを強化する方向で合意したとのことです。サウジは減産による価格維持に積極的な役割を果たしており、その効果が出た結果CPにも影響が出ていることが伺えます。
CP上昇で販売価格の上昇が懸念されます
プロパンガス業界はCPが下がっても販売価格は下げないのに、CPが上がるとすぐに販売価格を上げる傾向があります。この原稿を書いている9月10日現在、当協会の相談電話に10月検針分から1リューベ当たり30円値上げするとの通知が届いた、と電話相談が入りました。
先日、CPと販売価格の関係を調査してわかったのは、やはりプロパンガスの料金は不透明だということです。2014年の平均CPは790.8ドルで、2016年には平均が324.6ドルになりました。下落率は何と59%です。
では、販売価格も20〜30%くらい下がったかと思ったのですが、わずか5.1%しか下がっていませんでした。
上がれば敏感に反応して上げるものの、下がった時はスルーしてしまう業界の体質が、見事にあぶり出されたとショックを受けました。
9月は480ドルなので、まだそれほど値上げのニュースは入ってきませんが、これから需要期に入って600ドルを超えた場合、ここぞとばかり値上げするプロパンガス会社が大量に出てくるのではないかと今から危惧しています。
この記事の執筆者
一般社団法人プロパンガス料金消費者協会
代表理事 鈴木 秀男
- 2010年10月 一般社団法人プロパンガス料金消費者協会を設立。代表理事に就任。
1980年広告代理店勤務を経て、東芝パソコンシステム(旧:ソード電算機システム)に入社。営業推進部部長として勤務する傍ら、1990年より世界最大の人材教育機関「デール・カーネギー・コース」のニューヨーク本部公認トレーナーとしてセールスパーソンの教育に20年間従事。官公庁や大手企業を中心に約3千人を指導。また、ヤフージャパンで4年間広報宣伝ディレクターを兼務した。
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