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2017年10月のCP

2017年10月CPは575ドルで9月比95ドル上昇

9月30日に10月のサウジアラムコCPが発表されました。9月の480ドルに対して575ドルで、95ドル(19.8%)上昇しました。7月に345ドルだったCPは、3カ月で230ドル(67%)上がりました。

9月=480ドル/トン
10月=575ドル/トン(19.8%↑)

サウジアラムコCP推移
サウジアラムコCP推移

575ドルというのは3年振り

グラフをご覧になればわかるように、CPはこの3年半ほどずっと下落傾向が続いてきました。

2013年の12月には1,100ドルという高値を記録しましたが、翌月からは下がり続け、多少の上げ下げはあったものの下げ基調で推移し、2016年の平均は324.6ドルという記録的な安値になりました。

しかし、プロパンガス会社は値下げもしないで我が世の春を謳歌してきました。

今回の高値の背景

毎年プロパンガスの需要期を迎える秋冬期になると、CPが上昇傾向になるのは恒例ですが、OPECと非OPECの産ガス国が歩調を合わせて減産強化で合意していて、国際的に需給のバランスが取れていると言われている中で、これほど上がるのも不思議な気がします。

その背景は2つあると言われています。

1つは、中国の9月の原油輸入量が増えたこと。

具体的な数字はわかりませんが、7月・8月と低迷していた輸入量が一転して増加に転じたのと、9月の中国の貿易統計でドルベースでの輸出額が7カ月連続して前年同月を上回ったことから、中国経済が活発になり今後さらに原油輸入量が増えるのではないかとの期待が膨らんでいるようです。

もう1つの要因は、中東における地政学的なリスクの高まりです。

イラクでは、イラクからの独立を目指すクルド人自治区とイラク政府との対立問題があります。クルド人自治区にあるキルクーク油田地帯にイラク軍が戦車を展開しているとの情報が伝わり、原油の生産・輸出が減少するのではないかとの憶測が拡がっています。

さらに、アメリカのトランプ大統領が「イランが核合意を守っているとは認めない」との表明を行ったことから、再びイランの原油生産に影響が出るのではないかとの懸念が出てきました。

イランは、経済制裁が解除されたのを受け原油の増産を続け、ようやく制裁前の水準に戻しつつあるのが現状です。

それがまた制裁対象になったら、という懸念がCP価格に出ているようです。

この記事の執筆者

一般社団法人プロパンガス料金消費者協会

代表理事 鈴木 秀男

  • 2010年10月 一般社団法人プロパンガス料金消費者協会を設立。代表理事に就任。

1980年広告代理店勤務を経て、東芝パソコンシステム(旧:ソード電算機システム)に入社。営業推進部部長として勤務する傍ら、1990年より世界最大の人材教育機関「デール・カーネギー・コース」のニューヨーク本部公認トレーナーとしてセールスパーソンの教育に20年間従事。官公庁や大手企業を中心に約3千人を指導。また、ヤフージャパンで4年間広報宣伝ディレクターを兼務した。



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