2018年10月のCP
2018年10月CPは655ドルで9月比55ドル上昇
9月30日に10月のサウジアラムコCPが発表されました。9月の600ドルに対して55ドル高の655ドルです。5月の500ドルから5カ月で155ドル(31%)上昇しました。


CPが5月の500ドルから10月655ドルで31%も上昇しています
プロパンガスの原料は原油です。
ですので、原油が上がればプロパンガスのCP(輸入価格)も上がります。10月4日の産経新聞朝刊の「ガソリン155円突破 3年10カ月ぶりの高値」という記事が目に留まりました。プロパンガスのCPも10月の655ドルは4年ぶりの高値です。
4年前の2014年10月が735ドルで、その後は下落基調が続き最近は上がったり下がったりを繰り返し、今年の5月からは5カ月で155ドルも上げています。この原因と今後の動向を予想してみたいと思います。
12月からCPは下落に向かうのではないだろうか
当協会では、プロパンガスのCPは11月から下落に向かうのではないかとみています。その根拠は2つあります。
そもそもは米国によるイラン経済制裁再発動から上昇が始まった
米国のトランプ大統領選がイラン核合意からの離脱を表明したのは5月でした。5月のCPは500ドルでしたが翌6月は560ドル、7月555ドル、8月580ドル、9月600ドル、10月655ドルと推移してきました。
この間のCP上昇は、イラン産原油が市場に出回らなくなれば世界の市場で供給不足になるだろうとの思惑から起きているとの見方が一般的です。
米国は、各国に対して11月4日までにイランからの原油輸入を停止するよう要求しています。そして、11月6日には米国で中間選挙が行われます。民主国家では誰でも選挙は怖いですが、トランプさんと言えども同様でしょう。
イラン問題が選挙のための人気取りだとすれば、中間選挙が済めばこの問題は一旦は収束するのではないでしょうか?
イランの供給量が減っても世界では供給不足にはならない
2018年10月6日に配信されたブルームバーグのWebサイトによると、サウジアラビアのムハンマド皇太子は「米国がサウジと他の石油輸出国機構(OPEC)加盟国に要請したのは、イランからの供給が失われた場合、その分を確実に供給するということだ。それは行われている」と語った
とのことです。
ムハンマド皇太子が言うには、OPECと非OPEC産油国は最近産油量を日量で150万バレル増やしたそうで、これは失われているイラン産原油日量70万バレルの2倍に相当します。
現在過剰に反応している市場も、11月になって供給不足が実際には起こらないことに気づけば、相場は崩れプロパンガスのCPも下落に向かうのではないかと思います。
そういう意味で、当協会は11月末に発表される予定の12月CPに注目しています。
この記事の執筆者

一般社団法人プロパンガス料金消費者協会
代表理事 鈴木 秀男
- 2010年10月 一般社団法人プロパンガス料金消費者協会を設立。代表理事に就任。
1980年広告代理店勤務を経て、東芝パソコンシステム(旧:ソード電算機システム)に入社。営業推進部部長として勤務する傍ら、1990年より世界最大の人材教育機関「デール・カーネギー・コース」のニューヨーク本部公認トレーナーとしてセールスパーソンの教育に20年間従事。官公庁や大手企業を中心に約3千人を指導。また、ヤフージャパンで4年間広報宣伝ディレクターを兼務した。
