2019年3月のCP
2019年3月CPは490ドルで2月比50ドル上昇
2月28日に3月のサウジアラムコCPが発表されました。2月の440ドルに対して50ドル上昇して490ドルです。OPECの減産順守やイランの輸出減少が影響しているようです。
OPEC主導の減産順守やイランの輸出減少で上昇
2019年1月から、OPEC(石油輸出国機構)と非加盟国による協調減産が実施されていますが、その効果が出たようで、3月のCPは2月と比較して50ドル上昇しました。
現在、世界全体の産油量は毎日約1億バレル規模です。OPECと非加盟国はその約1.2%に当たる120万バレルの減産を決め、既に実行に移しています。
米国のトランプ大統領は、昨年11月の中間選挙の前にはサウジアラビアに増産を要請し、カショギ記者暗殺事件の弱みから結果として増産していたサウジも、義理は果たしたとばかりに1月から減産に転じました。
米国の対イラン経済制裁再開によって、昨年11月からイランの原油輸出量が減少していることも相まって原油価格が上昇し、プロパンガスのCPも上昇した訳です。
では、今後4月以降はどう推移するのか予想してみたいと思います。
米国の原油輸出、2019年夏から秋に急増の予測。プロパンガス価格の下落に期待
SankeiBiz(2018年11月13日号)によると、米国産シェールオイルの輸出量が急拡大するようです。これまでネックになっていた、米国最大の油田地帯でのパイプラインが大きく改善されることが確実視されてきたからです。
改善には2つあり、1つはパイプライン内の原油の流量を増やす新技術の開発に成功したこと。もう一つは、今年の夏から秋にかけて新たなパイプラインが一気に3本も開通する見込みが立ったことです。
この米国最大の油田地帯とは、テキサス州とニューメキシコ州にまたがるパーミアン盆地のことです。当初は輸送問題が改善するのは2020年のはじめと見られていたようですが、現在では2019年の初夏からに前倒しになっており、夏から秋にかけては大幅に輸出が増加することが見込まれています。
そうなれば、OPECと非加盟国が減産した分のシェアはシェールオイルが奪うことになります。1〜2年前はシェールオイルの損益分岐点は1バレル当たり50ドルほどと言われていました。しかし、企業努力と技術改良を進めた結果現在では30ドル程度でもペイするようです。
先月のCP速報でも述べましたが、既に米国は世界最大の産油国です。今後も急激に原油の輸出量が増加すれば、OPECや非加盟国が強調減産を実施しても原油価格への影響は小さくなり、安値で安定することが期待されます。
この記事の執筆者
一般社団法人プロパンガス料金消費者協会
代表理事 鈴木 秀男
- 2010年10月 一般社団法人プロパンガス料金消費者協会を設立。代表理事に就任。
1980年広告代理店勤務を経て、東芝パソコンシステム(旧:ソード電算機システム)に入社。営業推進部部長として勤務する傍ら、1990年より世界最大の人材教育機関「デール・カーネギー・コース」のニューヨーク本部公認トレーナーとしてセールスパーソンの教育に20年間従事。官公庁や大手企業を中心に約3千人を指導。また、ヤフージャパンで4年間広報宣伝ディレクターを兼務した。