2020年5月のCP
2020年5月CPは340ドルで4月比110ドル上昇
4月30日に5月のサウジアラムコCPが発表されました。4月の230ドルに対して110ドル上昇して340ドルです。OPECプラスの協調減産と米国の減産や景気回復への期待が背景にあります。
OPECプラスの協調減産と米国の減産や経済再開への期待
3月のOPECプラスの会合ではロシアの反対で協調減産が決裂したものの、4月12日の会合で協調減産を再度合意しました。
2020年5月と6月の2ヶ月間、日量で最大970万バレルを削減するとのことです。970万バレルは世界の原油需要の約10%に相当しますが、コロナウイルスの影響で世界の原油需要は約30%減少しているようです。10%だけでは焼け石に水状態ですが、ここに来て米国産の原油も減産になる模様でこれもCPの上昇に寄与しています。
米国の減産がどれほどになるのかデータはありませんが、4月17日のロイター通信によるとエネルギーサービス会社ベーカー・ヒューズが発表した4月17日までの週の米国内石油掘削リグ稼働数は、前週から66基減の438基と、2015年2月以来の大幅減を記録した。掘削リグ稼働数は2016年10月以来の低水準で、前年同期(825基)比では47%減少した。
とのことです。
米国産原油の損益分岐点は約30ドル程度らしいです。この記事を書いている5月10日現在のニューヨーク原油先物相場は1バレル(約159リットル)26ドルほどなので、このところ上昇してきたとはいえまだまだ採算レベルではなく、リグ数はまだ減る可能性があります。
ロイターの同記事では、投資銀行のアナリストが2020年末には掘削リグ稼働数が200基程度になるのではないかと予想していると書いています。
今や世界一の原油生産国である米国の産油量が大幅に減少すれば、需給のバランスが取れるのでCPが上がってきたと考えられます。
また、米国では30ほどの州がコロナ対策規制の緩和を少しずつ行っています。今年の11月3日に大統領選挙を控えるトランプ大統領も、早期の経済回復を期待しているのは間違いありません。
すぐにCPが大幅に上昇することはないでしょうが、注視は欠かせないところです。
この記事の執筆者
一般社団法人プロパンガス料金消費者協会
代表理事 鈴木 秀男
- 2010年10月 一般社団法人プロパンガス料金消費者協会を設立。代表理事に就任。
1980年広告代理店勤務を経て、東芝パソコンシステム(旧:ソード電算機システム)に入社。営業推進部部長として勤務する傍ら、1990年より世界最大の人材教育機関「デール・カーネギー・コース」のニューヨーク本部公認トレーナーとしてセールスパーソンの教育に20年間従事。官公庁や大手企業を中心に約3千人を指導。また、ヤフージャパンで4年間広報宣伝ディレクターを兼務した。
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