2021年2月のCP
2021年2月CPは605ドルで1月比55ドル上昇
1月31日に2月のサウジアラムコCPが発表されました。1月の550ドルに対し55ドル上昇の605ドルです。この結果、巷のガス会社がほぼ全面的に値上げを予定しているようです。
CP高騰の背景にある3つの出来事とは
サウジアラビアが予想以上の減産を実施
サウジアラビアが猛烈に原油を減産しています。
サウジアラビアは1月5日に、2・3月の産油量を日量で100万バレル削減すると発表しました。それもOPECプラスで取り決めたサウジの削減量に自主的に上積みしたのです。
サウジ以外の国は現行維持か小幅ながら増産を認められています。この思い切った削減案は市場で好感され、WTI米国原油先物や北海ブレント原油先物は3〜5%も値上がりしました。
サウジの目的は、原油市場の安定化というより高騰狙いのようです。この削減策は見事に需給バランスを引き締めることに成功し、先月CPの100ドル高に続いて55ドル高を実現させました。
米国の197兆円追加経済対策案も一因
2つめの要因は、米国の追加経済対策案です。
米国のジョー・バイデン大統領は1月14日、新型コロナウィルスで落ち込んだ米国の経済回復のために約197兆円の追加経済対策案を発表しました。
この計画は「米国救済計画」と名付けられているようです。この追加経済対策案は、バイデン大統領になってから実行される新型コロナウィルス対策の第三弾です。
ただ、対立する共和党ではこの案が経済回復には役に立たないと批判していて、予算案が上院で無事可決するかどうかは予断を許さないようですが、原油市場では好感されていて原油価格が高騰しているのは事実です。
ワクチン接種が1億人を突破
3つめの要因は、ワクチン接種が進んでいることへの経済復活への期待感です。
2月4日のニュースによると、世界のワクチン総接種者が1億500万人になり、感染者累計数の1億350万人を超えたそうです。今後は、ワクチン接種のスピードに拍車がかかりつつあるのに対し、感染者数の増加は衰えつつあります。日本でもその傾向がありますよね。
以上の3つの要因によってCPが高騰しています。
次は、一番気になる消費者のガス代がどれだけ上がるかです。
単価が1m3あたり30〜50円値上げか
当協会へは、全国のプロパンガス消費者から値上げ情報が入ります。
また、当協会は適正価格を管理している関係で、会員ガス会社からも値上げについての相談が入ります。そして会員ガス会社さんへは、1m3あたり20〜30円の値上げは適正として認めています。
しかし、ガス会社全体としては30〜50円の値上げを考えている会社が多いように感じます。ご自宅のガス代が高くないかどうか気になる方は、下記から調べることをお奨めします。
この記事の執筆者
一般社団法人プロパンガス料金消費者協会
代表理事 鈴木 秀男
- 2010年10月 一般社団法人プロパンガス料金消費者協会を設立。代表理事に就任。
1980年広告代理店勤務を経て、東芝パソコンシステム(旧:ソード電算機システム)に入社。営業推進部部長として勤務する傍ら、1990年より世界最大の人材教育機関「デール・カーネギー・コース」のニューヨーク本部公認トレーナーとしてセールスパーソンの教育に20年間従事。官公庁や大手企業を中心に約3千人を指導。また、ヤフージャパンで4年間広報宣伝ディレクターを兼務した。
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