2022年1月のCP
2022年1月CPは740ドルで12月比55ドル下落
12月30日に1月のサウジアラムコCPが発表されました。12月の795ドルに対し55ドル下落の740ドル。OPECプラスが増産維持したこととオミクロン株の感染拡大が要因です。
需給の緩みとオミクロン株感染拡大で2カ月連続下落
CPの2カ月連続下落に2つの要因
2カ月連続でCPが下がりました。
要因の1つ目は、OPECプラスが増産を継続していることです。OPECプラスは、毎月日量で40万バレルずつ減産幅を縮小する現在の原油増産計画を2月も維持すると発表しました。
市場では、オミクロン株の感染拡大を受けて、増産計画の一時停止や減産幅の拡大もあり得るのではと予想していたようですが、予定通り増産することが決定しました。
1月5日付けの産経新聞の中で、石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の野神隆之首席エコノミストは、OPECプラスが現行の増産計画を1〜3月も続ければ、石油の供給が需要を日量155万バレル程度上回ると試算していることを明らかにしました。
もう1つの要因は、オミクロン株を主としたコロナの感染拡大です。
ヨーロッパでは、フランス、ドイツ、イギリスなどで毎日10万人から20万人の新規感染者が報告されています。また、ヨーロッパだけでなく日本でも感染者が倍々ゲームで増えています。
新年の1月1日の全国の感染者は534人でしたが、1週間後の7日には何と6,214人まで増えてしまいました。たった1週間で11.6倍に激増です!
重症者率は高くないのかもしれませんが、このペースで感染者が増えれば市民の行動の制限が強化され、ようやく活気が戻り始めた日本経済もまた我慢の悪夢の中に引きずり込まれてしまうでしょう。
今後の見通し
もし前述の野神隆之首席エコノミストの試算通りになれば、今後も徐々にCPは下がる可能性が高いです。
ただし、CPが少し下がったとしてもプロパンガスの販売価格が下がるかどうかは別問題です。ガソリンなら原油が下がればスタンドの小売り価格も下がりますが、プロパンガスは消費者が指摘しない限り下がらないケースが多いです。
どういうことかと言うと、プロパンガスのCPが若干下がったところでマスコミは報道しないし、当協会の「CP速報」でも閲覧しない限り下がったことを知る方法がないので、そのことを知っているプロパンガス会社は自ら下げることはしないものです。
残念ながら、それがまかり通っている業界なのです。
自然に下がるような業界なら、当協会が誕生することもなかったと思います。
プロパンガス業界は、過去1年ほどで少ない会社で2回、多い会社は4回も値上げしました。推定で消費者のガス代は1年で80円から120円程度上がっているのではないかと思います。
是非この「CP速報」を時々ご覧になるか、時々無料の料金診断を忘れないようご注意ください。
この記事の執筆者
一般社団法人プロパンガス料金消費者協会
代表理事 鈴木 秀男
- 2010年10月 一般社団法人プロパンガス料金消費者協会を設立。代表理事に就任。
1980年広告代理店勤務を経て、東芝パソコンシステム(旧:ソード電算機システム)に入社。営業推進部部長として勤務する傍ら、1990年より世界最大の人材教育機関「デール・カーネギー・コース」のニューヨーク本部公認トレーナーとしてセールスパーソンの教育に20年間従事。官公庁や大手企業を中心に約3千人を指導。また、ヤフージャパンで4年間広報宣伝ディレクターを兼務した。