2022年10月のCP
2022年10月CPは590ドルで9月比60ドル下落
9月30日に10月のサウジアラムコCPが発表されました。9月の650ドルに対し60ドル下落の590ドル。CP下落の主な要因は、米国の経済悪化見通しです。
米国経済悪化の見通しでCPが60ドル下落
FRBが政策を180度転換したことが原因
米国経済の悪化が懸念されています。
なぜ悪化が懸念されているのか。それはFRB(米連邦準備制度理事会=米国の中央銀行)が政策を180度転換したことが発端です。FRBは政策金利(FRBが一般の民間銀行に貸し出す金利)を2022年3月から、それまでの0.25%から0.50%に引上げました。
0.25%の低金利は2020年3月から2022年2月までの2年間継続し、その間米国の経済はずっと好景気が続いてきたのです。
しかし、FRBは今年3月の0.50%への利上げを皮切りに、5月に1.00%、6月には1.75%、7月に2.50%、そして9月には3.25%まで急激に利上げを行いました。
結果として、景気は一気に冷え込んでいます。米国内では個人消費が鈍化した上、企業の設備投資ができなくなり、市民の住宅投資も減少して米国の経済悪化を招きました。
加えて、ウクライナに侵攻したロシアに制裁を科す欧州のエネルギー不足が相まって、世界中が物価高と通貨安に喘いでいます。
今後CPはどう推移するのか?
今後のCPは上昇していくのではないかと思います。
その理由は2つあります。まずは、これからの東アジアが季節的に寒くなってくることです。暖房用のプロパンも使用量が増え、お風呂用の水温もグッと下がってくるので夏の倍くらいの使用量になります。
もう1つは、OPECプラスが原油の大幅な減産を決定したことです。
OPECプラスは、10月5日、オーストリアのウィーンにあるOPECの本部で会合を開き、11月以降の1日あたりの原油生産量を200万バレル(1バレル=約159リットル)減らすことで合意しました。200万バレルというのは、世界の原油需要の約2%に相当します。
この決定を受けて、WTI(米国テキサス州西部を中心とした地域で算出される原油)価格は高騰。10月1日には80ドル程度だったのが、この原稿を執筆している10月9日14時25分現在、93ドルを超えてきました。1週間ちょっとで16%以上も上げているのです。
円安に歯止めもかかっていないし、年内にプロパンガスの販売価格が値上がりする可能性が出てきたと思います。
この記事の執筆者
一般社団法人プロパンガス料金消費者協会
代表理事 鈴木 秀男
- 2010年10月 一般社団法人プロパンガス料金消費者協会を設立。代表理事に就任。
1980年広告代理店勤務を経て、東芝パソコンシステム(旧:ソード電算機システム)に入社。営業推進部部長として勤務する傍ら、1990年より世界最大の人材教育機関「デール・カーネギー・コース」のニューヨーク本部公認トレーナーとしてセールスパーソンの教育に20年間従事。官公庁や大手企業を中心に約3千人を指導。また、ヤフージャパンで4年間広報宣伝ディレクターを兼務した。
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