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2022年8月のCP

2022年8月CPは670ドルで7月比55ドル下落

7月31日に8月のサウジアラムコCPが発表されました。7月の725ドルに対し55ドル下落の670ドル。主な要因は、欧米の政策金利上昇による世界的な景気後退懸念です。

7月=725ドル
8月=670ドル(7.59%↓)

サウジアラムコCP推移
サウジアラムコCP推移

世界的景気後退懸念からCPは55ドル下落

欧米の政策金利の上昇と中国の成長鈍化で原油相場が下落

原油相場は、このところ急激に下がっています。

主要な原油相場指標であるWTIが下落しています。ロシアがウクライナに侵攻した2月下旬に大幅に高騰。3月以降は100ドルから120ドルくらいで推移していましたが、8月になると下げ足を速め、8月6日現在88ドルから89ドル程度まで下げています。

原油相場が急に下がってきた背景の一つには、欧米の利上げがあります。

米国の政策金利(国の中核となる銀行が一般銀行に融資する際の金利)は、6月が1.75%だったのが7月には0.75%上がって2.5%になりました。同様に欧州は0から0.5%に上げ、カナダも1.5%から2.5%へ一気に1%も上げました。

これだけ急激に金利が上がると、経済はすぐに影響を受けます。その範囲は広範囲に渡ると思いますが、身近なところでは、住宅ローンの上昇により住宅を購入する人が控えるようになります。

今回原油相場が下落しているのは、世界的な景気後退を懸念してのことが主因ですが、もう一つ原因があります。

それは、ゼロコロナを推進する中国です。

日経新聞によると、7月15日に中国国家統計局が発表した今年4〜6月期のGDP(国内総生産)が、実質で0.4%増となったとのことです。これは1〜3月の4.8%増からは大きな失速です。このことが、エネルギー需要鈍化への警戒感につながっています。

CPの下落も金利の上昇と中国経済への懸念からです

今回8月のCPが下落したのは、概ね原油の下落と原因は同じです。

ただ、今後もずっと下落傾向が続くかどうかは不明で、特にEUの天然ガスが心配です。

現在EUは天然ガス輸入の45%をロシアに頼っています。天然ガスの脱ロシア依存化がうまく進めば良いのですが、ロシアに替わる供給元が確保できなければ、冬場にかけてプロパンガスの代替燃料需要が再燃する可能性があるからです。

そうなれば、今は比較的需給に余裕のあるプロパンガスも、あっという間に需要が供給を上回ることになりかねません。

状況をしっかりとウォッチしていきたいと思います。



この記事の執筆者

一般社団法人プロパンガス料金消費者協会

代表理事 鈴木 秀男

  • 2010年10月 一般社団法人プロパンガス料金消費者協会を設立。代表理事に就任。

1980年広告代理店勤務を経て、東芝パソコンシステム(旧:ソード電算機システム)に入社。営業推進部部長として勤務する傍ら、1990年より世界最大の人材教育機関「デール・カーネギー・コース」のニューヨーク本部公認トレーナーとしてセールスパーソンの教育に20年間従事。官公庁や大手企業を中心に約3千人を指導。また、ヤフージャパンで4年間広報宣伝ディレクターを兼務した。



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