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2022年9月のCP

2022年9月CPは650ドルで8月比20ドル下落

8月30日に9月のサウジアラムコCPが発表されました。8月の670ドルに対し20ドル下落の650ドル。主な要因は、アジアにおける石油化学事業の低迷による需要減少です。

8月=670ドル
9月=650ドル(2.98%↓)

サウジアラムコCP推移
サウジアラムコCP推移

CPは5カ月連続で下落もプロパンの販売価格は下がらず

アジアでの石油化学業界の低迷等でCPは20ドル下落

原油相場は高止まりも、なぜCPは下がっているのか?

8月の原油相場は概ね堅調でした。高止まりが継続しているということです。それでも、CPは下がりました。要因は、大きく言って3つ。

1つ目は、アジアが夏季で暖房需要が減少していることです。2つ目は、中国やインドがロシア産の原油を買い叩いて非正規輸入を継続しているため、中東産のプロパンガスがあまり売れず、在庫がダブついてしまっていることです。

3つ目は、アジアの石油化学業界の低迷です。アジアでは、石油化学製品のマージンの悪化に伴って、原料であるプロパンガスの需要が減少しているのです。


CPが下落しているのにプロパンの価格はなぜ下がらないのか?

それは、ドルに対して円が安くなっているからです。

プロパンガスは輸入する際ドルで決済するので、これほど急激に円が安くなってしまうと、少しくらいCPが下がっても販売価格は全然下がりません。

ちなみに、9月1日のドル円為替レートは139.53円でした。半年前の3月1日は115.28円だったので、たった半年間で約24円も下がってしまいました。

では、なぜ円がドルに対して安くなっているのでしょうか?簡単に言うと、日米の金利差が拡大しているからです。

現在米国の政策金利は、2.5%ほどですが、日本の場合はマイナス0.1%です。投資家が国債や社債の購入を考えた場合、日本の国債や社債を買わずに米国債や米国社債を買うと思います。そのほうが金利が一桁高いからです。

現状だとほとんどの方がそう考えるので、どんどんドルを購入する方が増えますよね。

日本国民としては、もっと国が政策金利を上げてくれたらと思っている方も多いと思いますが、日銀の黒田総裁は「金利を引き上げるつもりは全くない」と言っているので、当面ドル高円安の状態が続きそうです。

困ったものです。



この記事の執筆者

一般社団法人プロパンガス料金消費者協会

代表理事 鈴木 秀男

  • 2010年10月 一般社団法人プロパンガス料金消費者協会を設立。代表理事に就任。

1980年広告代理店勤務を経て、東芝パソコンシステム(旧:ソード電算機システム)に入社。営業推進部部長として勤務する傍ら、1990年より世界最大の人材教育機関「デール・カーネギー・コース」のニューヨーク本部公認トレーナーとしてセールスパーソンの教育に20年間従事。官公庁や大手企業を中心に約3千人を指導。また、ヤフージャパンで4年間広報宣伝ディレクターを兼務した。



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