2023年11月のCP
2023年11月CPは610ドルで10月比10ドル上昇
10月31日に11月のサウジアラムコCPが発表されました。10月の600ドルから10ドル上昇の610ドル。また、10月のMB平均価格は、9月の384ドルから29ドル下げて355ドルでした。
北半球が冬の需要期に入ったことで期待が高まり僅かに上昇
原油は下落しているのにCPは上昇
イスラム原理主義組織ハマスのイスラエル急襲で、10月19日のWTI原油価格は90ドル付近まで急上昇したものの、10月末には83ドル前後まで下落し、現時点(11月5日)では、80ドル前後で推移しています。
このように、原油が下がっているのに、CPは逆に10ドルですが上がっています。これは、北半球が冬の需要期入りをしたことで期待が高まったことが要因のようです。
例年ですと11月になれば、グッと気温も冷え込んできます。昨年の11月は20ドル、一昨年は70ドル上がりました。
次に、季節的には冬季の需要期に入ったのに、わずか10ドルの上昇に留まっている理由を解説します。
CPが前月対比10ドルの小幅上昇に留まった理由
その要因の1つに中国のPDH(Propane dehydrogenationの略でプロパン脱水素装置)プラントの低迷があるようです。PDHではプロパンガスを原料として、ポリプロピレンを生成し、各種文具や収納パッケージなどを商品化しています。
これまでの供給過多で、最近はこのプラントの稼働率が落ちています。一説には稼働率が30%台まで落ちたという情報もあります。中国ではこのところ、不動産とEV(電気自動車)の2大牽引役が失速し、輸出と輸入が減少続きで経済面の大きな岐路に立たされているようです。
ポリプロピレンの需要低迷もその一環なのかもしれません。
MBは原油下落と在庫増で29ドルの下げ
10月の平均MBは、9月の384ドルから29ドル下げて355ドルでした。7、8、9月と3カ月連続で上昇していましたが、久しぶりの下げです。
全米プロパンガス在庫は引き続き増加していて、過去最高レベルになっているようです。CPは原油の下落とは反対に若干上昇しましたが、MBは原油の動きにリンクしました。
この記事の執筆者
一般社団法人プロパンガス料金消費者協会
代表理事 鈴木 秀男
- 2010年10月 一般社団法人プロパンガス料金消費者協会を設立。代表理事に就任。
1980年広告代理店勤務を経て、東芝パソコンシステム(旧:ソード電算機システム)に入社。営業推進部部長として勤務する傍ら、1990年より世界最大の人材教育機関「デール・カーネギー・コース」のニューヨーク本部公認トレーナーとしてセールスパーソンの教育に20年間従事。官公庁や大手企業を中心に約3千人を指導。また、ヤフージャパンで4年間広報宣伝ディレクターを兼務した。
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