2023年4月のCP
2023年4月CPは555ドルで3月比165ドル下落
3月30日に4月のサウジアラムコCPが発表されました。3月の720ドルに対し165ドル下落の555ドル。3月のMB平均価格は、2月の431ドルから18ドル下げて413ドルでした。


CPは約23%下がりMBも4.18%下落
CP165ドルの下落要因は主に2つ
①インドのプロパンガス需要の鈍化
国連の予測では、今年インドの人口が約14億人で中国を抜いて世界一になるようです。
そのインドのプロパンガス需要が、今年に入って鈍化しています。理由は、今年からプロパンガスに対する政府の補助金が大幅に減額されたからです。
インドでは、2022年2月から3月の上旬にかけて州議会選挙が行われました。ナレンドラ・モディ首相率いる現政権のインド人民党は、有権者の支持を得るためプロパンガスの補助金を実施。
そのおかげか、インド人民党は5州の内4州で勝利を収めました。"釣った魚に餌は与えない"ということかどうかは不明ですが、今年からは上述の通り補助金が大幅に減ったことから国民のプロパンガス使用量も減り、CPの下落に繋がったようです。
②極東需要期の終焉
日本や中国・韓国・タイなどの東アジアの大部分ではプロパンガス需要期が終了しました。
東京では、協会オフィスの近くにある公園の桜が3月中旬には開花していたので、随分暖かかったのだと思います。
昨年は、ロシアによるウクライナ侵攻があったので4月は3月よりも上昇しましたが、通常4月は3月よりもCPが下がる傾向があります。
MBの18ドル下落は高水準備蓄が要因
3月の平均MBは、2月の431ドルから18ドル下げて413ドルでした。
米国市場のMBは輸出は好調。需要も順調で在庫も減少しているとのことです。ただ、備蓄が超低水準だった昨年と比較すると前年同期比167%もあることから下落になったようです。
CPは今後どうなるのか?
気になるのは、今月に入ってからOPECプラスが原油減産を打ち出したことです。
原油価格の国際的指標であるWTI(米国産標準油種)は、現在(4月6日11時50分)79.96ドルです。4月1日の朝は75ドル前後だったのに、急激に上昇しています。
折角このところCPが下がってきているのに、OPECプラスの高値維持を目的にした減産には困ったものです。
この記事の執筆者

一般社団法人プロパンガス料金消費者協会
代表理事 鈴木 秀男
- 2010年10月 一般社団法人プロパンガス料金消費者協会を設立。代表理事に就任。
1980年広告代理店勤務を経て、東芝パソコンシステム(旧:ソード電算機システム)に入社。営業推進部部長として勤務する傍ら、1990年より世界最大の人材教育機関「デール・カーネギー・コース」のニューヨーク本部公認トレーナーとしてセールスパーソンの教育に20年間従事。官公庁や大手企業を中心に約3千人を指導。また、ヤフージャパンで4年間広報宣伝ディレクターを兼務した。
