2023年8月のCP
2023年8月CPは470ドルで7月比70ドル上昇
7月31日に7月のサウジアラムコCPが発表されました。7月の400ドルから70ドル上昇の470ドル。また、7月のMB平均価格も、6月の294ドルから29ドル上げて323ドルでした。
原油高と中国PDH需要増でCP・MBともに上昇
サウジアラビアとロシアによる追加減産で原油高に!
7月3日、サウジとロシアが追加減産を発表しました。
サウジは7月に1日あたり100万バレル減産するとしていましたが、8月も延長すると発表しました。さらにロシアも同じ3日に、1日あたり50万バレルの減産を決めました。サウジは現在の原油価格に満足しておらず、一段の価格上昇を画策していると思われます。
またロシアは、ウクライナ侵攻で戦費がかさむ中、減産をしないでいましたが、サウジからそのことを批判されているので、批判をかわす狙いがあるようです。
世界の原油産出量2位のサウジと3位のロシア(1位は米国)の減産によって、原油価格は上昇し、日本のガソリン価格も高騰しています。
資源エネルギー庁の8月2日の発表では、7月31日現在レギュラーガソリンの価格が1リットルあたり全国平均で176.7円になり、15年ぶりに176円を超えたそうです。
この原油高によって、本来ならプロパンガス不需要期の8月にCPが上がるということは少ないのに、7月より17.5%も高い470ドル/トンまで上昇しました。9月以降サウジやロシアが延長するのかどうか気になるところです。
中国のPDH事業好調による需要増でCP上昇
CP上昇のもう一つの要因をご説明します。
それは、中国のPDH(Propane dehydrogenationの略でプロパン脱水素装置)事業です。先月号でもご説明しましたが、プロパンガスからプロピレンを生成し、プロピレンを原料にポリプロピレンにするのが一例です。
このPDH事業が好調で、中国では新規に11プラントが稼働に向けて工事中とのことです。今後プロパンガスの需要が増えることを見越した動きがCPの上昇に繋がっています。
MBも原油の高騰に釣られて10%ほど上昇
7月の平均MBは、6月の294ドルから29ドル上げて323ドルでした。上昇率は6月比で109.86%、約10%上昇しました。
夏場の不需要期に入ったため需要は低迷しましたが、原油価格の高騰に釣られて上昇したようです。
供給は引き続き潤沢で、全米のプロパンガス在庫は増加傾向が続き、前年同期比で40%アップとのことでした。
この記事の執筆者
一般社団法人プロパンガス料金消費者協会
代表理事 鈴木 秀男
- 2010年10月 一般社団法人プロパンガス料金消費者協会を設立。代表理事に就任。
1980年広告代理店勤務を経て、東芝パソコンシステム(旧:ソード電算機システム)に入社。営業推進部部長として勤務する傍ら、1990年より世界最大の人材教育機関「デール・カーネギー・コース」のニューヨーク本部公認トレーナーとしてセールスパーソンの教育に20年間従事。官公庁や大手企業を中心に約3千人を指導。また、ヤフージャパンで4年間広報宣伝ディレクターを兼務した。
ガス代最大50%安く!