2024年2月のCP
2024年2月CPは630ドルで1月比10ドル上昇
1月31日に2月のサウジアラムコCPが発表されました。1月の620ドルに対し10ドル上昇の630ドル。1月のMB平均価格は、12月の359ドルから66ドル上げて425ドルでした。
OPECの自主減産で上昇も暖冬でわずか10ドルに留まる
OPECプラスが減産維持で合意、減産量は過去最大に
サウジアラビアを中心とするOPECプラスが価格維持に躍起になっています。
OPECプラスは、2023年6月に第35回閣僚級会合で決まった協調減産の規模を、2024年末まで維持することを2023年11月の会合で合意していました。
さらに2月1日には、OPECプラスの加盟国7カ国が追加で自主減産を表明し、減産量が過去最大になっています。これまでの最大は2022年10月にOPECプラスが発表し、11月から実施している日量200万バレル。今回の合計はそれを上回る約220万バレルです。
OPECプラスがこうして懸命に減産を主導しているものの、原油価格もCPもサウジの思惑通りには上がっていません。
CPの上昇が小幅だった理由の1つは、極東地域の暖冬です。
ちなみに、東京の1月の平均気温は今年が7.1℃。昨年の1月が5.7℃ですので、1.4℃高くなっています。昨年の3月に発生したエルニーニョ現象がまだ続いているのです。
もう1つの要因は、非OPEC諸国による増産です。
非OPEC諸国が原油を増産
OPECプラスは、価格をつり上げようと減産に必死です。
しかし、非OPEC諸国の原油産出量は着実に増えています。米国、メキシコ、カナダ、英国、ノルウェーなどOPECに加盟していない国々の産出量は、1965年の日量1,809万バレルから2021年に日量5,813万バレルまで伸びています。
つまり、1965年から2021年までの57年間で日量で約4,000万バレル増えています。1年で見ると平均日量70万バレルです。世界経済も伸びていますが、非OPEC諸国の伸びも大きいです。
さらに、アンゴラは2023年12月にOPECを脱退すると発表しました。
アンゴラの原油産出量は日量で110万バレルです。これはサウジアラビアの約10分の1レベルですが、アンゴラだけでなく一部のOPEC加盟国の中には、協調減産に異論があるようです。減産して価格をつり上げるよりも産出量を増やして経済を潤したいという考えだと思います。
MBは大寒波による在庫の減少で66ドル上昇の425ドル
1月のMB平均価格は、12月の359ドルから66ドル上げて425ドルでした。
米国市場は、1月中旬から全米に大寒波が直撃。気温がマイナス40℃を超えた地域もあり、寒波の影響で亡くなった方も90人もいらっしゃるそうです。
製油所の稼働率が低下したことと、プロパンガスの暖房需要が増加したことが相まって在庫が激減。輸出は堅調なだけにモントベルビューのプロパンガススポット価格が高騰しました。
この記事の執筆者
一般社団法人プロパンガス料金消費者協会
代表理事 鈴木 秀男
- 2010年10月 一般社団法人プロパンガス料金消費者協会を設立。代表理事に就任。
1980年広告代理店勤務を経て、東芝パソコンシステム(旧:ソード電算機システム)に入社。営業推進部部長として勤務する傍ら、1990年より世界最大の人材教育機関「デール・カーネギー・コース」のニューヨーク本部公認トレーナーとしてセールスパーソンの教育に20年間従事。官公庁や大手企業を中心に約3千人を指導。また、ヤフージャパンで4年間広報宣伝ディレクターを兼務した。
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