2024年5月のCP
2024年5月CPは580ドルで4月比35ドル下落
4月30日に5月のサウジアラムコCPが発表されました。4月の615ドルから35ドル下落の580ドル。4月のMB平均値は、3月の416ドルから2ドル下げて414ドルでした。
極東がプロパンの不需要期に入ったことや、中国のPDH稼働率の低迷などで35ドル下落
中国のPDH稼働率が過去最低
4月の中国PDH(プロパン脱水素)稼働率が過去最低の54%で低迷したようです。
PDH事業とは、プロパンガスから水素を抜いてプロピレンというガスにし、さらにポリプロピレンを生成します。ポリプロピレンはプラスチックの一種で、非常に軽く強度が強いです。私たちの身の回りに多く存在する「PP樹脂」がそうです。
ポリプロピレンからは、半透明の特徴を活かしてスーパーのレジ袋や収納ボックス、オモチャ、日用品などが生産されます。1つのPDHプラントからは、プロパンガスやナフサを原料に年間で4万トン〜数十万トンのポリプロピレンが生産されます。
世界中では5千万トンものポリプロピレンの需要があるようです。
このところ、中国はPDHプラントを次々立ち上げていますが、経済不況の中で4月のプラント稼働率が54%まで落ち込んだことにより、極東がプロパンガスの不需要期に入ったことと相まってCPの下落に繋がっています。
MBは需給の緩和により2ドル下げて414ドル
4月のMB平均値は、3月の416ドルから2ドル下げて414ドルでした。
今冬寒波の影響で大幅に落ち込んでいた米国のプロパンガス供給量が増加しています。米国内製油所の稼働率も回復。在庫も増えたことから、わずかに2ドルですが下げました。来月には300ドル台を期待したいと思います。
この記事の執筆者
一般社団法人プロパンガス料金消費者協会
代表理事 鈴木 秀男
- 2010年10月 一般社団法人プロパンガス料金消費者協会を設立。代表理事に就任。
1980年広告代理店勤務を経て、東芝パソコンシステム(旧:ソード電算機システム)に入社。営業推進部部長として勤務する傍ら、1990年より世界最大の人材教育機関「デール・カーネギー・コース」のニューヨーク本部公認トレーナーとしてセールスパーソンの教育に20年間従事。官公庁や大手企業を中心に約3千人を指導。また、ヤフージャパンで4年間広報宣伝ディレクターを兼務した。
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