2024年8月のCP
2024年8月CPは590ドルで7月比10ドル上昇
7月31日に8月のアラムコCPが発表されました。7月の580ドルから10ドル上昇の590ドル。7月のMB平均値は、6月の395ドルから21ドル上げて416ドルでした。
8月のCPは中東の酷暑が要因で10ドル上昇
【上昇要因】サウジなどが国内発電所用にプロパンを使用
今夏の日本列島は異常な高温に見舞われていますが、暑いのは日本だけではなく世界中のようです。中でも産油・産ガス国の中東は世界中でも最も暑い地域のようです。
世界三大通信社のひとつであるAFPBBニュースによると、6月に入ってからサウジアラビアやクウェートなどの多くの場所では、気温が50度に達したとのことです。
私は10年ほど前に、群馬県館林市で40度の中、ガソリン給油のため車外に出た経験がありますが、5分も外に居られないと思いました。
それよりも10度も高い気温とは、どんな暑さなのかちょっと想像できません。
この中東の酷暑のため、サウジなどが国内のエアコンなど電力需要に応えるため、発電所用の燃料としてプロパンガスを利用しているのです。そのため輸出用のプロパンガスがタイトになり、CP価格を押し上げたようです。
MBはハリケーンの影響で21ドル高
7月のMB平均値は、6月の395ドルから21ドル上げて416ドルでした。
米国市場は、ハリケーン「ベリル」が7月8日に米国テキサス州を襲い、120万戸を超える企業・民家が停電しました。その影響でプロパンガスの出荷が遅延し、供給がタイト化したのが21ドル上昇の要因のようです。
円高は今後のプロパンガス価格にとってプラスになるか?
ドル円の為替レートが大きく変動し、8月5日(月)は大変な騒ぎになりました。
7月29日(月)に153.43円だったのが、わずか1週間後の8月5日に143.15円と10円以上円高になりました。日経平均株価も5日だけで約4,500円も暴落し、大損した方も多いのではないでしょうか?
ただ、プロパンガスの輸入価格はドルで決済されますので、その分だけはありがたい話です。CPとMBが変わらなくて、単純に円が10円高くなればプロパンガスの販売価格は1立方メートルあたり12円程度下がる計算になるからです。
しかし、現実にはプロパンガス料金を取り巻く環境は厳しいです。それは、トラックを中心とする運送賃の値上がりや、人件費の高騰、鋼材の高騰、諸物価の値上げなどが続いているからです。円高になっても、ガス会社の値上げはあっても値下げはない可能性が高いです。
この記事の執筆者
一般社団法人プロパンガス料金消費者協会
代表理事 鈴木 秀男
- 2010年10月 一般社団法人プロパンガス料金消費者協会を設立。代表理事に就任。
1980年広告代理店勤務を経て、東芝パソコンシステム(旧:ソード電算機システム)に入社。営業推進部部長として勤務する傍ら、1990年より世界最大の人材教育機関「デール・カーネギー・コース」のニューヨーク本部公認トレーナーとしてセールスパーソンの教育に20年間従事。官公庁や大手企業を中心に約3千人を指導。また、ヤフージャパンで4年間広報宣伝ディレクターを兼務した。