2024年9月のCP
2024年9月CPは605ドルで8月比15ドル上昇
8月29日に9月のアラムコCPが発表されました。8月の590ドルから15ドル上昇の605ドル。8月のMB平均値は、7月の416ドルから26ドル下げて390ドルでした。


9月のCPは、原油下落も中国の石化市況が下支え
【原油市況】中国経済市況の悪化で1月以来の安値
中国経済状況が悪化しています。
これまで、中国経済の悪化は散々報じられてきましたが、そこにさらに拍車がかかっているようです。中国の2024年4〜6月期の実質成長率が、前年同期比で+4.7になり、2024年1〜3月期の+5.3%から伸長率が減速しました。
不動産不況により消費の伸びが鈍化したことが大きく影響しているとのことです。
また、原油価格の値下がりが続いています。
7月5日には84.17ドルだったWTI原油先物価格が、9月11日現在で66.11ドルまで下がってきました。8月30日にはまだ76.36ドルだったのがこの10日ほどで10ドル強下げていますが、これにはOPECの発表が影響しています。
OPEC(石油輸出国機構)は、9月10日に発表した月報で、2024年の世界石油需要を8月予想から引き下げました。8月時点では、昨対比で日量211万バレル増と予想していましたが、10日の月報では203万バレル増に下方修正しています。
【LPガス市況】産ガス国からの出荷減少と中国PDH事業の堅調さが下支え
今年の夏は、中東でも酷暑が続いています。サウジアラビアやクウェート国内で電力不足になり、発電所の燃料としてプロパンが使われてきました。
その影響でプロパンの輸出が減少したことや、中国のPDH事業が活況であることなどでプロパンガスの需要が供給を上回ったのです。
前述で、中国国内の経済悪化とOPECが世界の需要予測を引き下げたとお伝えしました。通常は原油価格の動きとCPの動きは連動しがちですが、状況次第で逆の動きにもなります。
【米国MB市況】
8月のMB平均値は、7月の416ドルから26ドル下げて390ドルでした。
米国市場は、ハリケーン「ベリル」の影響から回復し、プロパンガスの供給、在庫ともに増加してきました。また、価格面ではWTIの下落とリンクする形で値を下げ、前月比26ドル下落の390ドルとなっています。
この記事の執筆者

一般社団法人プロパンガス料金消費者協会
代表理事 鈴木 秀男
- 2010年10月 一般社団法人プロパンガス料金消費者協会を設立。代表理事に就任。
1980年広告代理店勤務を経て、東芝パソコンシステム(旧:ソード電算機システム)に入社。営業推進部部長として勤務する傍ら、1990年より世界最大の人材教育機関「デール・カーネギー・コース」のニューヨーク本部公認トレーナーとしてセールスパーソンの教育に20年間従事。官公庁や大手企業を中心に約3千人を指導。また、ヤフージャパンで4年間広報宣伝ディレクターを兼務した。
