2025年1月のCP
2025年1月CPは625ドルで12月比10ドル下落
12月31日に1月のアラムコCPが発表されました。12月比10ドル下落の625ドル。12月のMB平均値は、11月の419ドルから19ドル下げて400ドルでした。


1月のCPは10ドル下落。中国は景気刺激策を打ち出しているものの、経済状況は上向かず
【原油市況】戦争等が上昇要因となったが、中国の需要低迷は下落要因
12月の原油市況は、WTIで68〜71ドルの狭い範囲で推移しました。
上昇要因は、ウクライナ・ロシア戦争が激しさを増したことです。1月20日にはトランプ政権がスタートしますが、プーチン大統領としては、「トランプ政権の発足前になるべくウクライナ領の侵略範囲を拡大しておきたい。」という思惑は当然あると思います。
また、下落要因は中国の需要低迷です。
昨年12月の本欄でもお伝えしましたが、国際エネルギー機関(IEA)の予測では、2025年は世界の原油供給が過剰になることが指摘されています。それは、中国経済が低迷していることに加えて、米国やカナダなどの非OPEC諸国が増産しているからです。
【LPガス市況】中国の石化事業の低迷とPDH稼働率低下が重しになり10ドル低下
中国の石油化学事業とPDH事業が芳しくないようです。結果として、プロパンガスのCPが少し下がったので、ありがたいことです。
中国は、2024年の12月に、2025年の経済運営方針を決める中央経済工作会議を開催しました。目立ったのは、昨年は重点項目の1番が「科学技術イノベーション」でしたが、今年は「国内需要の拡大」が、入れ替わって1番になっていた点です。
これだけ見ても、中国の内需が落ち込んでいることが分かります。やはり、中国の石油化学事業やPDH事業(プロパンガスからポリプロピレンを生成し、プラスチックを生産する事業)が振るわないということは、世界の経済に大きな影響があることを痛感しました。
【米国MB市況】
12月のMB(モンテベルビュー)平均値は、11月の419ドルから19ドル下げて400ドルでした。
米国市場は需要期を迎えて在庫が減りつつあるものの、在庫水準が5年平均よりも上回っている状況で、12月下旬に在庫の減少により高騰したが、月間平均では11月比で19ドル下げて400ドルになっています。
この記事の執筆者

一般社団法人プロパンガス料金消費者協会
代表理事 鈴木 秀男
- 2010年10月 一般社団法人プロパンガス料金消費者協会を設立。代表理事に就任。
1980年広告代理店勤務を経て、東芝パソコンシステム(旧:ソード電算機システム)に入社。営業推進部部長として勤務する傍ら、1990年より世界最大の人材教育機関「デール・カーネギー・コース」のニューヨーク本部公認トレーナーとしてセールスパーソンの教育に20年間従事。官公庁や大手企業を中心に約3千人を指導。また、ヤフージャパンで4年間広報宣伝ディレクターを兼務した。
