集中監視システム
プロパンガスに関する何らかの異常を感知した場合、即座に集中監視センターに通知され、状況に応じて供給ガス会社の保安機関等が出動し、適切な措置を行います。
たとえば、ガス機器のホース故障でガス漏れが発生した場合や、お風呂やガスコンロ使用時の消し忘れによる長時間使用など、異常事態が発生した場合には直ちにガスを遮断して、自動的に通報される仕組みになっています。
このような安全性の高度化による重大事故などの未然防止の他に、自動検針によりガスの使用量が正確に把握できるため、検針・請求の効率化が可能です。また、ガスの残量をチェックできることで、配送作業のムダも削減することができます。
プロパンガス業界では、1984年に集中監視システムの利用が開始されました。サービスを利用するには、利用者宅のガスメーターと集中監視センターを電話回線で繋げる必要があります。
しかし、近年では固定電話を持たない世帯が増加したこともあり、携帯電話の使用等に対応できず、普及率が伸び悩む理由となっていました。
2019年より、LPWA(Low Power Wide Area)という新しい通信技術を活用することで「低消費電力」「広域・長距離伝送」が可能になり、LPWA方式による集中監視システムの普及が期待されています。
ガス会社としては、利用者のインフラの変化に影響を受けることなく、集中監視システムを普及させることで、コスト削減と保安の高度化が期待できます。
利用者に対しては、固定電話の有無に関わらず集中監視システムを導入できるため、安全性の高度化だけではなく、「ガスの見える化」「見守りサービス」「スマホアプリの活用」等、さまざまな付加サービスの提供が可能になります。
この記事の執筆者
一般社団法人プロパンガス料金消費者協会
副代表理事 鈴木 涼太
- 2016年3月 当協会にコンサルタントとして参画
- 2019年4月 シニアコンサルタントに就任
- 2021年5月 副代表理事に就任
大学時代に英国カンタベリー・ケント大学(Canterbury - University of Kent)へ2年間留学。
日本を代表する大手IT企業を経て、LINE株式会社のグループ企業にて検索エンジンの開発・運営に従事。当協会に参画後、プロパンガス料金の適正化の活動に尽力している。
プロパンガス料金の専門家として5年間で2,000人以上の悩みを解決し、相談者から高い評価を得ている。
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